一宮市のハザードマップを開いてみたものの、どの地図から見ればいいのか、色の意味はどう読むのか、迷ってしまった方もいると思います。台風の時期が近づいてきたり、引っ越しを考えたり、家族と防災の話をしようと思ったりしたとき、ふと確認したくなるのがハザードマップですよね。
『いちのみやコンパス』のエリア担当ライター、ナカオユウキです。一宮市に住んで長くなりますが、ハザードマップをちゃんと読み込んだのは、市内で大きな浸水があった翌年のことでした。わたし自身、最初は種類の多さに戸惑ったほうです。
この記事では、一宮市で確認できるハザードマップや防災情報ツール3つを紹介しながら、浸水の深さ表示の読み方、避難場所と避難所、避難経路の見方、大雨の前に見直したいことを順に整理します。
ハザードマップや防災情報は更新されることがあります。避難の判断は、最新の気象情報や一宮市から発表される避難情報を必ず確認してください。
一宮市のハザードマップでまず確認したいもの
この記事で見る水害関係の情報には、洪水ハザードマップと、過去の豪雨時の浸水実績を活用した浸水実績図があります。どちらか一つだけを見るより、目的に合わせて両方を確認しておくと、住んでいる場所や移動ルートの見方が変わります。
まず手をつけるなら、洪水ハザードマップから確認すると全体像をつかみやすいです。一宮市には木曽川や五条川、日光川など複数の河川が関係するため、河川の氾濫による浸水想定を見ておくことは欠かせません。紙版の配布場所は変わる可能性があるため、必要な場合は一宮市公式ページで確認してください。
オンラインで確認するなら、次に紹介する3つのツールを用途で分けて見ると整理しやすいです。
一宮市でまず確認したい防災情報ツール3つ
紙のマップと並行して、スマートフォンやPCから確認できる公式のオンラインツールを3つ紹介します。防災LINEのように補助的に使える機能もありますが、まずは地図・リアルタイム情報・通知の3つに分けて見ると、必要な情報を探しやすくなります。
- ① 138マップ(一宮市地図情報サイト)
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一宮市が運営する公式地図サービスです。洪水ハザードマップや浸水実績図のレイヤーを重ねて、自宅周辺を拡大して確認できます。指定緊急避難場所の場所も表示できます。
- ② 一宮市水防災情報システム
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大雨や台風のときに、河川水位・雨量・市内の浸水状況などを確認できる市公式のシステムです。浸水センサ、ライブカメラ、雨雲レーダー、キキクル情報なども確認できます。表示内容が変わる場合もあるため、普段から一度開いておくと安心です。
- ③ 一宮市あんしん・防災ねっと
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市からの災害時緊急情報などをメールで受け取れる登録型のサービスです。登録は無料ですが、メール受信時に通信料がかかる場合があります。
わたしは138マップで日常の確認をして、大雨が来そうなときは水防災情報システムを開くようにしています。三つを用途で分けて使うと、情報を探す時間が短くなります。
洪水と内水で異なりやすいところ
迷いやすいのが、「洪水」と「内水」の違いです。同じ浸水でも、原因が違います。
- 洪水
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河川の堤防が決壊したり、川の水があふれたりすることで起こる浸水。
- 内水
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下水道や排水路などで雨水を排水しきれず、市街地に雨水がたまることで起こる浸水。
一宮市公式サイトでは、水防法に基づく内水ハザードマップは作成していないと案内されています。その代わり、過去の豪雨で実際に浸水した箇所を活用した「浸水実績図」が公開されています。ただし、すべての浸水箇所を反映したものではないため、地図に表示されていない場所でも浸水が起きる可能性があります。最新情報は市の公式サイトで確認してください。
浸水の深さ表示を地図で読むとき
洪水ハザードマップで色分けされているのは、浸水が想定される深さです。色が濃くなるほど、想定される浸水深が深くなります。
目安として、浸水深が0.5m未満は床下浸水、0.5m以上は床上浸水の可能性があると考えられます。ただし、実際の危険度は建物の構造、土地の高さ、水の流れの強さによって変わります。数字だけで判断せず、自宅や周辺道路の状況もあわせて見てください。
ハザードマップに示されているのは「想定最大規模の降雨」に基づく浸水想定です。実際の大雨がその規模に届かなくても、周辺の道路が先に冠水する場合もあります。
自宅と職場の周辺で確認しておきたいこと
少し古い話になりますが、わたしは2000年(平成12年)の東海豪雨のときのことを今でも覚えています。一宮市内では、わたしの記憶では周辺都市ほど大きな被害は見聞きしませんでしたが、近隣では浸水した地域があり、知人の工場で泥のかき出しを手伝いに行ったことがありました。設備が使えなくなり、その後、工場をたたむことになったと聞いたときは、水害が暮らしや仕事に与える影響の大きさを実感しました。
名古屋方面へ勤めていた知人からは、定時前に会社を出たものの、普段なら1時間ほどの距離を、帰宅できたのは日付が変わった後だったという話も聞きました。複数の幹線道路で冠水や渋滞が起き、いつもの通勤ルートでは戻れなかったそうです。だからこそ、ハザードマップを見るときは自宅だけでなく、職場や学校、よく通る道路まで含めて確認しておくと安心です。
自宅だけ確認して安心してしまうのが、実はよくあるパターンです。わたしも最初はそうでした。日中に職場や外出先で大雨になった場合、帰り道のルートが冠水しているかどうかも気になります。
- 自宅が何色のエリアに入っているか
- 職場や学校の周辺の浸水想定
- 自宅と職場の間の移動ルートの状況
- 駐車場や車を置く場所の想定浸水深
一宮市水防災情報システムでは、大雨時に河川水位や雨量、市内の浸水状況などを確認できます。普段からURLを把握しておくと、いざというときに開きやすくなります。
避難場所と避難所の地図での見方
一宮市の避難施設は「指定緊急避難場所」と「指定避難所」で役割が違います。ここが混同されやすいところです。
- 指定緊急避難場所
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命を守るために緊急的に逃げ込む場所。災害の種類ごとに指定されています。
- 指定避難所
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自宅へ戻れなくなった方などが一時的に滞在する施設。市が開設してから利用するものです。
一宮市の公式情報では、避難場所は住所によって一律に割り当てられているわけではないとされています。近さだけで決めず、移動ルートの安全性を確認してから向かう場所を判断するという前提で、普段から複数の候補を把握しておくと動きやすいです。
川の近くで見ておきたいこと
一宮市の洪水ハザードマップでは、木曽川や庄内川水系の新川、五条川、青木川、日光川など複数の河川に関する浸水想定を確認できます。川ごとに浸水想定の範囲が重なっている箇所もあります。
見落としやすいのが「家屋倒壊等氾濫想定区域」です。水流が特に強くなるおそれがある区域として、地図上に別の表示で示されています。浸水深が浅く見えても、この区域に含まれている場合は注意が必要です。
水防災情報システムでは木曽川などの水位情報も確認できます。ただし、避難の判断は水位の数値だけで決めず、市からの避難情報や気象情報もあわせて確認してください。
大雨の前に見直しておきたいこと
台風シーズンの前や、大雨の予報が出た段階で確認しておけると、いざというときに慌てにくくなります。
色の意味と深さの目安を紙にメモして、家族が見られる場所に置きます。
一か所だけだと道路冠水などで向かいにくい場合があるため、別方向の候補も把握します。
あんしん・防災ねっとのようにメールで受け取るサービスと、防災LINEのようにLINEで確認できる防災メニューを把握しておくと、大雨時に情報を探しやすくなります。
一宮市公式LINEには、防災メニューである「防災LINE」もあります。防災情報の確認や避難所受付など、災害時に使える機能が案内されているため、普段から一度開いておくとよさそうです。利用に必要な登録や連携がある場合もあるため、公式ページで最新の使い方を確認してください。
地図だけでは分からない現地の状況
ハザードマップは過去のデータや想定をもとに作られているため、実際の地形や生活環境との差が出る場合があります。地図で色がついていなかった場所でも、近くに水路や暗渠があれば、大雨時に水が集まりやすいことがあります。
晴れている日など平常時に、自分が動く道を実際に歩いてみると、用水路が近い、道路が周辺より少し低くなっているといった気づきが出てきます。地図と現地の両方を使ってはじめて、自分の場所の状況が分かってくる感じがしています。
ナカオユウキ地図の色が薄くても、道が低ければ水は集まりやすいですよ
公式情報の確認先と更新のタイミング
ハザードマップや防災情報は、河川の指定や制度変更、システム更新などにより内容が変わることがあります。紙のマップを持っている場合は、発行年や更新情報を確認しておくと安心です。
古いものと現行版で内容が変わっている場合があります。大雨の前だけでなく、年に一度くらいは公式ページや138マップを開いて見直してみると、変化に気づきやすくなります。
| 確認先 | 主な内容 |
|---|---|
| 138マップ(市公式) | 浸水想定・避難場所の地図表示 |
| 水防災情報システム | 水位・雨量・浸水センサなどの情報 |
| あんしん・防災ねっと | 災害時緊急情報などのメール受信登録 |
| 一宮市公式サイト(避難場所・避難所) | 避難場所・避難所の区分・一覧 |
| 防災LINE | 防災情報の確認、避難所受付など |
ハザードマップでよくある見落とし
見落としやすいのが、「洪水だけ見て浸水実績図を確認していない」パターンです。河川から少し離れていても、排水路が集まるエリアや低地では内水による浸水が起きることがあります。138マップで浸水実績図のレイヤーもあわせて見ると、自分のエリアの傾向がつかみやすくなります。
もう一つは、紙のマップを一度見て終わりにしてしまうことです。引っ越した、道路が変わった、地域の水路工事が入ったなど、状況は少しずつ変わります。年に一度くらいは138マップを開いて見直してみると、変化に気づきやすくなります。
今週末にできる小さな一歩として
ハザードマップは一度確認して終わりではなく、暮らしの中で少しずつ使い慣れていくものだと感じています。まず138マップを開いて自宅の色を確認するだけでも、「自分のエリアはどんな状況か」という基準が一つできます。
わたしは確認した内容をメモ用紙に書いて、妻と一緒に見られる場所に貼っています。デジタルより紙のほうが、家族が自然に目に入れやすいと感じているためです。あんしん・防災ねっとや防災LINEの確認、避難場所の名前と方向のメモ、このあたりだけでもそろっていると気持ちが違います。
ちゃんと調べようとすると少し大変に感じますが、「138マップで自宅の色を確認して、近くの避難場所を一か所メモする」くらいの一歩なら始めやすいです。そのメモが役に立つ日が来ないほうがいいけれど、あって損はないものだと思っています。最後は一宮市公式ページや最新の避難情報もあわせて確認してください。













